『もうすぐ死にます』感想・ネタバレ|ソ・イングクが生きたイジェの12の人生が心に残った理由

tamanegi

*この記事は『もうすぐ死にます』の感想・ネタバレを含みます。

ソ・イングクが12人の人生を生きるという衝撃的な設定のドラマ『もうすぐ死にます』。 重いテーマながら、人生の意味を深く考えさせられる作品でした。

『マンスリー彼氏』で知ったソ・イングクブームの始まり

『マンスリー彼氏』でキョンナムを演じていたソ・イングクさんの演技が期待以上に良かったです。

正直に言うと、ものすごく整った彫刻のようなイケメンというよりは、どこか隣に住んでいそうな(チェ・ウシクさんのような)親しみやすい雰囲気があって、ドラマを見ながら少しずつ引き込まれていきました。

ソ・イングクさんは歌手としてデビューし、俳優としても長く活動しているので、作品もたくさんあると知り、これから少しずつフィルモグラフィーを見ていきたいと思いました。

比較的最近の作品だと、パク・ヒョンシクさんも出演していた『トゥエルブ』と『もうすぐ死にます』があるのですが、『トゥエルブ』はあまり評価が良くなかった記憶があったので、まずは『もうすぐ死にます』から見てみることにしました(実はこれも苦手なジャンルではあります)。

このドラマが放送されていたのは、『サムダルリへようこそ』や『私の夫と結婚して』が放送されていた頃だったんですね。

しかし、タイトルからして「死にます」とついている作品を観る勇気がなかったのと、その頃はまだソ・イングクさんのこともよく知らなかったので、公開されたばかりの時は特に興味を持っていませんでした。

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ドラマ『もうすぐ死にます』作品情報

項目内容
作品名もうすぐ死にます
英語タイトルDeath’s Game
ジャンルファンタジー / スリラー / 人生ドラマ
脚本ハ・ビョンフン
演出ハ・ビョンフン
制作会社SLL / Studio N
配信Amazon Prime Video
公開日2023年12月15日
話数全8話(Part1 &2)

『もうすぐ死にます』キャスト

ソ・イングク ― チェ・イジェ

就職に失敗し続け、7年間の就職活動の末に人生に絶望する青年。

死後、「死」という存在に出会い、12回、別の人間として人生を生きる試練を与えられることになる。

それぞれの人生で死を避けられれば、その人物として生き続けることもできるという条件のもと、彼は他人の人生と死を繰り返し経験していく。

パク・ソダム ― 死

地獄に落ちる直前のチェ・イジェに、12回の人生と死という試練を与えた謎の存在。

チェ・イジェの転生で登場する人物(特別出演)

* ネタバレ防止のため、チェ・イジェの12の人生の人物についてはこの記事の最後の部分でご確認ください。

周辺人物

  • コ・ユンジョン ― イ・ジス(イジェの恋人)
  • キム・ミギョン ― イジェの母
  • キム・ジフン ― パク・テウ(パク・ジンテの兄)
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『もうすぐ死にます』パート1あらすじ

ソ・イングクさんが演じるチェ・イジェ。

幼い頃に父親を亡くし、責任感を持って自分を育ててくれた母親に愛されながら育った彼は、かつては将来有望な大学生でした。

就職も順調にいくと思われていましたが、最終面接の当日の朝に起こったある出来事をきっかけに就職に失敗してしまいます。

卒業前に就職することに失敗した彼は、学生ローンを返済するためにアルバイトを転々としながら就職活動を続けますが、なかなかうまくいかず、気がつけば7年という時間が過ぎていました。

彼には大学時代から付き合っていた作家志望の恋人、ジスがいました。

彼がバイトをしている時に顔を合わせた時も、職場の同僚たちに自信を持って紹介できるほど、ジスはいつも彼を応援してくれ、彼女本人も作家になる夢に向かって一生懸命努力する愛らしい人でした。

しかし、最後の望みをかけて受けた大企業の最終面接にも落ちたイジェは、友人の言葉を信じて投資したお金を持ってその友人が逃げてしまったことも知ります。

絶望したままジスのもとを訪れた彼は、ジスが家の前である男から花束をもらっているのを目にします。彼が帰った後、彼女の前に現れたイジェは「こんな自分と付き合ってくれて苦労させた」と別れを告げ、家に帰ります。

雨が降り出し、ずぶ濡れになった彼は、部屋の外に自分の荷物がすべて出されているのを見つけます。家賃が滞っていたのを理由に、何も告げず大家に追い出されてしまっていました。

一気に起こった一連の出来事に、これ以上耐えられないと感じた彼は、自分の苦しみを終わらせたいという思いから、母からの電話に出ることなくそのまま自分の人生に背を向けてしまいます。

しかし、自分の命をあまりにも軽く扱ったことへの怒りだったのでしょうか。

地獄でも天国でもない、どこか分からない場所へ連れて行かれた彼は「死」という存在に出会います。

「死ぬタイミングを自分で決めてはいけない。自分勝手な行動に責任を取れ」

そう告げた死は、彼に罰として、これから彼は12回、別の人間の人生を生きることになると告げます。そしてそのたびに、死を避けるために努力しなければならないと言います。もしある人生で死を回避できれば、その人として生き続けることもできる、と。

こうして彼は、数えきれないほどの「他人の人生」を生きながら、死を経験するという恐ろしい試練を受けることになります。

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『もうすぐ死にます』パート2あらすじと結末

パート2からはイジェが毎回の人生で死ぬたびに、その人生を生きる目的が少しずつ変わっていきます。

パート1だと、最初はただその人としてどうやって生き残るかだけを考えていてイジェ。

そして何とかお金を手に入れて楽に生きようとすることばかり考えているようにも見えます。

おそらく彼が死を選ぶ前、自分の人生が苦しかった理由の一つが「お金」だったからでしょう。

しかし、別の人生を生きる中で、かつてイジェとして生きていた頃にとても大切だった人たちと偶然再会することになり、彼らが自分の死によって苦しみ、深く悲しんでいることを知ったイジェ。

どれほど愛していたとしても、もう二度とイジェとして彼らのそばに戻ることはできない。

その事実に気づいたとき、イジェは初めて、なぜ「死」が自分を罰しているのかを少しずつ理解し始めます。

彼は死ぬたびに、その人物の人生を学び、人間が生きる動機や、死に直面した周囲の人々の反応を知り、その情報を積み重ねていきます。

やがて、それぞれの死が互いにつながっていることに気づき、その関係をたどりながら問題を解決したり、誰かのために自分を犠牲にする行動を取ったりもします。

さらに、作家として成功したジスとの会話の中で言われた

「あなたの物語がハッピーエンドで終わるといいですね」

という言葉を決定的な瞬間に思い出し、自分の行動と自分が生きている人の運命を変えることもあります。

実はイジェ与えられた最後の12回目の人生は、彼を愛してやまない人でした。

彼は、自分の人生を大切には出来なかったけど、自分を愛して、愛してくれた人のためには最善を尽くして長い時間を生き、年老いて静かに人生を終える事ができます。

12人の人生を生き切ったイジェ。

自分が深く愛した彼女ジスの言葉のように、もう二度と「自分自身」として生きることを何よりも望む彼。

他人の人生と死を通して大きな気づきを得た彼に、「死」は最後に彼にどんな未来を与えたのでしょうか。

彼はまた自分として生きることができるのでしょうか。

『もうすぐ死にます』感想もう一度「自分として」生きたい

韓国語の「イジェ」には二つの異なる表記があり、原作では「今」という「時」に焦点を当てた”이제”、今回は人物にもう少し焦点を当てた”이재”が使われているそうです。

こうしてあらすじを書いてみると改めて分かるのですが、このドラマには本当に多くの死のシーンが登場します。

見ている間も思っていましたが、個人的には非常に苦手なジャンルだったので、最後まで見るのは決して簡単ではありませんでした。

それでも私は…最後まで見ることができました。

それだけストーリー構成が良く、12人の特別出演の俳優たちの演技も素晴らしく、作品が伝えようとしているメッセージもとても印象的だったからです。

正直に言うと、「ソ・イングクをたくさん見たい!」と思ってこのドラマを見る方は、少しがっかりするかもしれません。

その理由は、この作品では彼が12人の人生を代わりに生きる設定なので、ソ・イングクさん本人が演じるシーンの分量は思ったより多くないからです。ですが、「じゃあ、見なくてもいいかな」と決めるのはまだ早いと思います。

なぜなら、やはり量より深さ、そして質ですからね。

ソ・イングクさんが表現する怒りや悲しみの極限の演技を見たい方には、このドラマをぜひおすすめしたいと思います。見ているとその辛さが伝わってきて、見ながら何度も泣かされました。

とても重いテーマの作品でしたが、「自分に与えられたこの人生」がどんな一日であっても、目の前にある時間は何かをすることができる機会なのだということ。

そして、自分は思っている以上に周りの人たちに影響を与えている大切な存在なのだということを改めて考えさせられる作品でした。

普段の生活の中で私たちは、他の誰かとして生きることはできないのに、自分の人生に集中するよりも、誰かの人生を見て羨ましく思ったり、もし別の人生を生きられたらもっと幸せになれるのではないかと考えてしまうことがあります。

しかし、12回という人生を生きながらも、もう二度と「自分として」生きることはできないイジェの絶望

特に、別人の顔でかつて自分が愛していた人たちと再び出会い、彼らの傷を目の当たりにするイジェ。

そのとき彼は痛いほど気づきます。

イジェの彼女が言っていたように自分として生きられない人生には意味がないということを。

イジェが別の姿で元恋人のジスと何度も会い、最終的に自分がイジェであることを伝える場面があります。

私はそのシーン(このシーンを演じるのは、もう一人の素晴らしい俳優イ・ドヒョンさんですが)で、本当に涙が止まりませんでした

また、イジェの母親が納骨堂で彼を思いながら涙を流す場面も、あまりにつらくて見ていられませんでした。

人生も死も、いつも私たちのすぐそばにあるものですが、人生というものは、その終わりが見えたときにこそ最も強く感じられるのかもしれません

たった一度与えられた人生を、ただ自分として生きること

愛する人を失いながら生きているすべての人に少しでも慰めが届けばいいなと考えながら、このドラマを見終えました。

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『もうすぐ死にます』はソ・イングクさんにとっても特別な作品

ソ・イングクさんは、もともと原作のウェブコミックを知っていたため、ドラマ化の話を聞いたときから興味を持っていたそうです。最初は特別出演のような形で参加する予定だったそうですが、監督から主人公チェ・イジェ役を提案され、迷うことなくその役を引き受けたと言います。

死をテーマにしたファンタジードラマ『もうすぐ死にます』について、ソ・イングクさんは、この作品を撮影する中で自然と「人生の意味」について多くのことを考えるようになったとか

私たちが何気なく通り過ぎてしまう日常の瞬間や、ありふれた時間、そしてほんの少しの休息の時間さえも、実はとても大切なものなのだと改めて感じたそうです。

彼にとってこの作品は、今自分が生きている時間の価値を見つめ直し、人生の大切さを改めて考えるきっかけとなり、自身の価値観にも大きな影響を与えたドラマだったようです。

ソ・イングクさんはもともと真剣な話をすることが好きな人のようですが、こうした重いテーマについても深く考えるタイプの俳優なのではないか、そんな印象を受けました。

視聴者の立場から言うと、やや残酷なシーンも多く登場する作品なので、そのような場面は無理せずスキップしながら視聴しても結末を理解するうえで大きな問題はない、ということは先にお伝えしておきたいです。

そしてこのドラマは、見る側の視聴者だけでなく、演じる俳優たちの人生観さえ揺さぶるほどの力を持った作品に違いないと感じました。

このジャンル作品があまり得意ではない私ですが、それでもこのドラマは、ぜひ多くの方におすすめしたいと思える作品です。

『もうすぐ死にます』はAmazon Prime Videoで視聴可能です。

チェ・イジェの転生で登場する人物

チェ・イジェの12の人生(イジェがそれぞれの人生として生きる人物)

俳優キャラクター人物紹介
チェ・シウォンパク・ジンテ巨大企業テガングループの後継者。財閥の息子として生きる人生。
ソンフンソン・ジェソプエクストリームスポーツ選手。常に危険と隣り合わせの人生。
キム・ガンフンクォン・ヒョクス学校でいじめを受けている中学生。弱く孤独な少年の人生。
チャン・スンジョイ・ジュフン秘密組織で働く危険な男。
イ・ジェウクチョ・テサン総合格闘技選手を目指す青年。
赤ちゃん
イ・ドヒョンチャン・ゴヌモデル。誠実で優しい青年。ジスと深く関わる人物。
キム・ジェウクチョン・ギュチョル画家。冷酷な連続殺人犯。
オ・ジョンセアン・ジヒョン冴えない刑事。ある事件を追う人物。
キム・ジフンパク・テウ財閥家の長男であり、この物語の重要人物。
キム・ウォンへホームレスの男性社会の底辺で生きる人物。
キム・ゴンホイ・ジョングク平凡な会社員として生きる人物。
キム・ミギョンパク・ジョンシムイジェの母

*イジェはこれらの人物として生きながら、毎回迫りくる死から逃れようとすることになる。

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プロフィール
たまねぎ
たまねぎ
長年韓国を離れて暮らしているため、韓国エンタメには興味ゼロだった日本在住韓国人です。

数年前、日本の友人に勧められて観た『愛の不時着』をきっかけに、韓国ドラマの魅力に改めて興味を持つようになりました。
このブログでは、韓国ドラマや俳優について 単なる作品紹介ではなく、演技やキャスティング、作品の空気感といった視点から記録。

韓国で生まれ育った背景をもとに、セリフのニュアンスや文化的な文脈など、日本語のレビューでは見えにくい部分にも目を向けながら、作品を読み解くことを大切にしています。さらに、気になる俳優を見つけると出演作を続けて観ることが多く、俳優の演技の変化やキャリアの流れを追うことも、このブログの一つのテーマです。

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