俳優 イ・チェミン再発見ノート:記憶に残らなかった顔、いま改めて見えてくるフィルモ (2-2)
(アイキャッチ画像出典 : 『イルタ・スキャンダル ー 恋は特訓コースで』tvN 公式サイト)
この記事は『暴君のシェフ』と『キャシャロ』を観ながら「この俳優、ここで一気に名前が刻まれたな」と感じたところから、自然に続いていった記録です。

前回の記事で言ったように、主演としてはっきり記憶されるようになった“今”のイ・チェミンさんではなく、確かに観ていたはずなのに記憶の中ではぼんやりしていた顔、すっと通り過ぎてしまった役柄を、もう一度拾い上げてみたくなりました。
不思議なことに、ある俳優は一作で強烈に残るというより、いくつもの作品を経て、あとから一本の線としてつながっていくことがありますよね。
だから今回は、「当時は気づかなかったけれど、今見るとまったく違って見える作品たち」を軸に、イ・チェミンさんという俳優のフィルモグラフィを、あらためて整理してみようと思います。
もう一度見返した『還魂シーズン2:光と影』、そして『イルタ・スキャンダル ー 恋は特訓コースで』
『還魂パート2』やけに目立つ商人3
前にも触れましたが、昨年私は時代劇にハマっていて『還魂』を観ていました。
『タングム』を一気見したあと、俳優イ・ジェウクの時代劇があまりにも良くて、自然とフィルモグラフィを追っていく中で辿り着いたのが『還魂』だったんです。
それがちょうど『バニーとお兄さんたち』を観後でもあり、「……あれ? この人、どこかで見たような?」と引っかかった。
だけどその時はそのまま素通り、笑。
改めて調べてみると、『還魂』では序盤(1話の一番最初のシーン)で13分ほど、商人3として特別出演していたんですよね。








デビューして間もない頃で、セリフもほとんどない役。
それでも、なぜか私はその“商人3”を覚えていました。
理由は単純で、商人3にしてはやけに背が高くて肌が光っている…見ての通りなんとなく空気感が違っていたから、笑。こんな人を商人に使うなんて勿体無いって感じでしょうか。
正直言うと後でまた出る人物かと思ってました。
だからフィルモグラフィの中で『還魂』を見つけた瞬間、「あ……あの人だ」と、パズルが一気にハマりました。
大人の恋にのめり込みすぎて高校生の初恋は素通りした『イルタ・スキャンダル ー 恋は特訓コースで』
でも、ここからがさらに面白いところで。
私は視聴率20%近くを記録した『イルタ・スキャンダル – 恋は特訓コースで』を本当に楽しく観ていて、何度も見返したほどだったんです。
ストーリーに完全に引き込まれて、先が気になって仕方がなかったのに、イ・チェミンさんがこの作品で注目され始めたことを、まったく覚えていなかった。
制服姿のイ・チェミンさん、そして相手役だったノ・ユンソさん(私の従姉妹に似てて結構好きな女優です、笑)。
2人は友達として登場しながら、告白シーンもあり、高校生らしい初々しい感情がきちんと描かれていた役でした。

成績優秀だけれど、母親の圧力の中で大きな事件に巻き込まれていくキャラクターで、その過程での感情表現も、今見返すとかなり印象的だったと思います。
今の視点で振り返ると、イ・チェミンさんという俳優を最初に知るなら、真っ先におすすめしたい作品が、この『イルタ・スキャンダル』かもしれません。
ちなみに、ここでちょっと面白い繋がりも。
イ・チェミンさんが演じた役名は「イ・ソンジェ」。
『ソンジェ背負って走れ』で“リュ・ソンジェ”を演じて一躍スターになった俳優ビョン・ウソクさんと、2025年8月から同じ事務所に所属することになったんですよね。
二人の“ソンジェ”が同じ事務所で活動するという偶然も印象的で、最近長身で有名な2人が駐車場で「どっちが背が高いか」なんてふざけ合う姿の映像が流れてきて、思わず笑ってしまいました。

そして『イルタ・スキャンダル』では別の縁も。共演したリュ・ダインとの熱愛が報道されると、4時間くらいでとてもあっさりと認めたところも、個人的には好印象でした。
イ・チェミン × ノ・ジョンエ『ヒエラルキー』と『バニーとお兄さんたち』
イ・チェミンさんは、ノ・ジョンエさんと続けて二作品で共演しています。
先に公開されたのは『ヒエラルキー』。
ただ、私がイ・チェミンさんをはっきり認識したのは『バニーとお兄さんたち』だったので、体感的な順番は少し逆になっていました。
二作品とも互いの相手役で、続けて観てると「高校から大学まで続く関係みたいだな」と錯覚してしまうところもあります、笑。
正直いうとNetflixで『ヒエラルキー』はポスターはかなり目に入っていたのに、「観よう」とは一度も思わなかったんです。
……でも結局、イ・チェミンさん目当てで観ました。笑
7話構成でテンポも悪くなく、高校が舞台ではあるもののテーマはかなり大人向け。
韓国ドラマというより、海外ドラマに出そうなストーリーを意識したような作りですが、一つの作品として観れば大きな違和感はありませんでした。
『ヒエラルキー』と『バニーとお兄さんたち』に共通しているのは、イ・チェミンさんがノ・ジョンエさんを巡って“もう一人の男主人公”と対立する関係にいること。
『ヒエラルキー』での相手役はキム・ジェウォンで、個人的に『ユミの細胞たち3』で注目している俳優でもあり、この組み合わせもなかなか面白く感じました。
これから伸びていきそうな俳優たちを一気に見られる、そんな楽しさのある作品だったと思います。
余談ですが、二人が一緒に出演した『ホン・ソクチョンの宝石箱』。
まだフィルモグラフィも多くなく、年齢も若い二人を「これから伸びる俳優」として招いたホン・ソクチョンの目も、さすがだなと思いました。
視聴率は低かったけれど―『バニーとお兄さんたち』
『バニーとお兄さんたち』は、正直に言うと0%台の視聴率という数字だけ見ると、かなり衝撃的な作品でした。
ただ、グローバルOTTでの反応は悪くなかったそうですし、個人的には「意外と悪くないな」と思いながら最後まで観ました。
美大生という設定も好みでしたし、恋愛音痴の主人公がダメな元彼と決別したあと、タイプの違う男性4人に囲まれる展開も爽快でした。
もちろん、バニーが怪力の持ち主という設定はストーリー的にやや浮いていましたが…。笑
全体としては、かなり王道な青春ロマンスです。
それでも、俳優キム・ヒョンジン(「アイドルアイ」出演中)さん、ホン・ミンギさん(「愛する盗賊様よ」出演中)、チョ・ジュニョンさん(「スプリング・フィーバー」出演中)など、今後よく見かけることになりそうな顔ぶれが揃っている点では、気軽に観る分には十分楽しめる作品だと思います。
無関心を装いながら嫉妬して、ちょっと格好つけたがる先輩役。
イ・チェミンさん、こういう演技は本当に上手いですね。
個人的に惹かれる理由、そしてこれから
イ・チェミンさんに個人的な親近感を覚える理由の一つは、私自身も幼少期を一山(イルサン)で過ごしたから、というのもあります。
今でも韓国に帰ると、その街で時間を過ごしますし、同じ場所で育った人がこうしてスターになっていくのを見ると、どうしても少し身近に感じてしまいます。
ごく普通に小学校の先生を目指していた学生だった彼が、俳優になりたいと決めて家族の支えを受けながら準備を重ね、最終的に韓国芸術総合学校に進んだという話も、素直に好感が持てました。
派手に作られたスターというより、普通の20代を生きている人。
でも基礎がとても堅い俳優。
こうして見返してみると、イ・チェミンさんは突然現れた俳優ではなく、長い時間をかけて少しずつ印象を残してきた人だったんだなと感じます。
当時は気づかずに通り過ぎていたけれど、今見ると、ちゃんと一本の線でつながっている。
だからこそ、『暴君のシェフ』と『キャシャロ』以降の彼が「運が良かっただけの俳優」には見えないんですよね。
むしろ、ようやく“名前で呼ばれ始めた人”という感覚の方が近い。
これからどんな作品を選び、どんな顔を見せてくれるのかは分かりませんが、少なくとも今までの流れを見る限り、簡単に消費されるタイプの俳優ではないと思います。
しばらくは、クレジットに「イ・チェミンさん」の名前を見つけたら、自然と気になってしまいそうです。
未見の過去作もまだ残っているので、次回作が決まるまでみて起きたいと考えています。
次の作品は慎重に選んでいる様子のイ・チェミンさんですが、ナ・ヨンソクPDとNetflixが手がけるバラエティー番組『なぜ登山なんてするんだ?』を控えていて彼の素顔見られるのではないかとちょっと期待。
また2021年に撮影された作品で、2月には故キム・セロンさんと出演した作品『私たちは毎日毎日』(映画公開後は長さ60分 x 7本のドラマでも公開予定)がついに公開を控えているようなので、まだまだ彼をみる機会はしばらく続きそうです。
2026年の次回作を見据えながら、昨年中止になってしまったファンミーティングも、いつかまた実現してくれたら嬉しいなと思いつつ、静かに応援しています。
※本記事内の画像は、各作品の公式サイト・公式SNSよりお借りしています。
