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俳優 キム・ソンホ『この恋、通訳できますか?』までの歩みを振り返る ー 演劇からドラマへ

tamanegi

(アイキャッチ画像:所属事務所fantagio公式サイトより)

『この恋、通訳できますか?』という作品を通して、チュ・ホジン(通訳士)を演じたキム・ソンホ主演作で2026年を迎えることになりました。

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少し前に公開が伝えられた『アンフレンド』、『眩惑(ヒョノク)』、そして『議員さまのご加護』まで、いずれも2026年公開予定。

すべての作品がヒットするかどうかとは別に、俳優キム・ソンホ個人として見たとき、「今年は彼にとって大きな一年になるのでは」と感じています。

私がキム・ソンホさんを初めて見たのは『100の郎君様』でした。

『海街チャチャチャ』以降、しばらくメディアで彼の姿を見かける機会が少なかった分、今年は長い時間をかけて演劇で培ってきた彼の演技を、改めてたくさん見ることができそうな一年になるのでは、という期待もあります。

だからこそ、このタイミングで彼のフィルモグラフィーを少し振り返りながら、キム・ソンホという俳優について整理してみたいと思いました。

演劇の舞台からきた俳優、キム・ソノ

キム・ソンホについて語るとき、意外と見落とされがちなのが、彼が演劇出身の俳優だという点だと思います。

184cmという高身長と整った外見から、モデル出身なのでは、突然現れた俳優なのでは、と思われることもありますが、実際にはドラマ以前に演劇の舞台で演技を磨き、30代を迎えてから映像の世界へと移った俳優です。

どこか、誰かと重なるような感覚を覚える人もいるかもしれません。

そう、一回の特別出演で強烈な印象を残し、このブログで紹介しているぺ・ナラさんです。

ご存じの通り、私は長く舞台に立ってきた俳優が特に好きです。

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演劇の舞台で長く踏ん張ってきた俳優たちは、演技の基礎がしっかりしていて、映像に移ってからも幅広い役を安定して演じられることが多いと感じるからです。

キム・ソンホさんもまた、大学路で長年舞台に立ち、演技力については業界内で評価されていた俳優だと言われています(実は私も小さい頃演劇を見に大学路によく行ってました。)

大学路はソウルにある演劇文化の中心地で、日本で言えば小劇場が集まる下北沢や、昔のアングラ演劇の拠点に近い雰囲気を持つエリアです。

大小さまざまな劇場や大学の芸術施設が密集していて、商業作品とは違う距離感で、観客と直接向き合う舞台が日常的に上演されています。

多くの俳優がこの場所で長い時間をかけて経験を積み、名前よりも「実力」で評価されてきました。

そのためか、『この恋、通訳できますか?』で共演したコ・ユンジョンさんも、彼は決められた枠の中だけで演じるのではなく、現場で生まれる呼吸や感情を受け取りながら演技を広げていく俳優だと話していました。

ライブ感のある演技に慣れた舞台出身俳優らしい一面だと感じました。

スタートアップ:夢の扉』で主役級へ

私が彼を本格的に意識するようになったのは、少し後のことです。

以前、ナム・ジヒョンさんの出演作をいくつか見返す中で、『シスターズ』と一緒に改めて観たのが『100日の郎君様』でした。その流れで、キム・ソンホという俳優を再び思い出したのです。

当時は「演技の安定した俳優だな」という印象でしたが、調べていくうちに『海街チャチャチャ』が大きな人気を集めていたことを知りました。

『スタートアップ:夢の扉』でハン・ジピョン役を演じ、多くの視聴者の目に留まり、その後『海街チャチャチャ』を通して大衆に強く印象づけられました。

この二作だけを見れば、これから一気に飛躍していくのだろうと思っていたのですが、いつの間にかドラマのフィルモグラフィーが途切れていることに気づきました。

兵役でもなさそうで、理由が見えず調べてみたところ、彼がしばらくドラマ作品から距離を置いていた時期があったことを知りました。

止まっていた恋愛ドラマの時間を取り戻す

『海街チャチャチャ』以降、しばらく映像で彼の演技を見られなかった時間は、いろいろ考えさせられるものでした。

舞台では活動を続けていたとはいえ、ドラマというメディアに戻るまでには、結果的に2〜3年という時間が必要だったからです。

状況が整理された後であっても、恋愛ドラマでは当面選択肢が限られていたのではないか、そんな想像もしました。

復帰の知らせを聞いたときは素直に嬉しかったのですが、最初の復帰作『暴君』は少し重めのノワール作品だったこともあり、個人的には深く追わずに通り過ぎてしまいました。

アイキャッチ画像:所属事務所fantagio公式サイトより

ところが2025年、『おつかれさま』で再び画面に突然現れたときは、驚きました。

この作品、この役を選んだ判断が、とても自然に噛み合っていると感じたからです。

『暴君』が「戻ってきた」という合図だったとすれば、『おつかれさま』は明らかに印象に残る復帰でした。

事前情報を極力抑えた特別出演、そしてIUの男の中で最後に人生のパートナーとなる役どころ。

クローゼットの中から現れる場面は私自身もまったく予想しておらず、3〜4時間かけた特殊メイクの影響で、最初は彼だと気づかなかったほどでした。

そうして彼はイ・チュンソプという役で戻り、物語の中で重要な位置を占める存在となりました。

キム・ソンホの魅力

『100日の郎君様』『海街チャチャチャ』『スタートアップ』『おつかれさま』、そして『この恋、通訳できますか?』。

私がキム・ソンホを通して記憶している作品は、この5本です。

最近『この恋、通訳できますか?』をきっかけに、「二人のビジュアルの相性がすごい」「とても整っている」という声も多く見かけますが、正直に言うと、私が彼に惹かれた理由は外見的な魅力ではありませんでした。

この五作を並べてみると、俳優にとって「どんな役を選んできたか」がどれほど重要かを改めて感じます。

役は単なる出演歴ではなく、その俳優がどのように認識されるのか、感情や身体表現の幅をどこまで見せられるのか、そして次にどんな道が開かれていくのかを左右するものだからです。

もちろん、仕事である以上、常に理想通りに役を選べたわけではなかったはずです。

それでも、この五作を通して見る限り、キム・ソンホは比較的慎重に、そして自分に合った役を選び続けてきた俳優だと感じました。

それが彼の演技力によるものなのか、役そのものとの相性なのかは断言できませんが、彼の魅力が最も自然に表れるポイントを繰り返し作ってきたことは確かです。

特に印象的なのは、サブキャラクターや特別出演でありながら、「なぜこんなに目を引くのだろう」と感じさせる点です。主役ではないのに、自然と視線が向いてしまう役ばかりでした。

それでは作品ごとに見えてくるものについて話していこうと思います。

『100日の郎君様』

『100日の郎君様』という時代劇でキム・ソンホは、ナム・ジヒョン演じるヒロインを想うサブキャラクターとして登場します。

画像出典:tvN(作品レビュー目的での引用)

顔を認識できない症状を抱えながら、なぜか彼女の顔だけは覚えている、という設定。追われている彼女を助けるうちに感情を育てていく、いわば一途な役どころです。

けれど問題は、彼自身が想っている相手を、王もまた想っているという点にあります。

王を間近で支えながら、結果的にその二人を応援する立場になってしまう。

物語としては王の選択が軸にありますが、視聴者の気持ちはどうしてもサブキャラクターに引き寄せられてしまう構造でした。

少しコミカルで、それでいて誠実。

脇役でありながら、妙に記憶に残る存在感があって、「この俳優、気になるな」と思わせるには十分な役だったように思います。

『スタートアップ』

画像出典:tvN(作品レビュー目的での引用)

『スタートアップ』でも、状況はどこか似ています。

サブキャラクターでありながら、ドラマの“最初の顔”として登場するのがキム・ソンホでした。

主人公が姿を見せるのは、もう少し後のことです。

彼が演じたのは、物語の中で主人公たちの成長を支える、いわば“影の軸”のような存在。

しかも設定上はヒロインの初恋の相手です。

サブキャラクターが初恋、という時点で、視聴者の感情が揺れるのも無理はありません。

登場シーンも多く、人物背景もしっかり描かれ、周囲の登場人物との関係性も丁寧に積み重ねられていく。

そのため、見ているうちにメインキャラクターよりも彼の存在が気になってしまう、という声が多く上がったのも印象的でした。

『100日の郎君様』と同じく、少し不器用な主人公が、彼の存在によって支えられ、成長していく構造。

この“報われない側”の役を何度も演じてきた点は、キム・ソンホという俳優を語るうえで欠かせない要素だと感じます。

『おつかれさま』

画像出典:Netflix(作品レビュー目的での引用)

順番は前後しますが、ロマンス作品としての復帰作となった『おつかれさま』でも、その流れは完全には途切れません。

IUが演じる人物が、7年も付き合っていた恋人と別れたあと、ふと現れて彼女を気遣い、やがて結婚へとつながっていく役どころです。

最初は「今回もまたサブポジションなのでは」と思わせながらも、IUを危機から助ける画家のような佇まいから物語が始まり、気づけば、最も自然でちょうどいいタイミングで戻ってきて、IUの相手役として物語にしっかりと収まっていきます。

将来の義父母を前に見せる、どこか照れくさく愛嬌のある姿も含めて、

この役でも彼の人間的な魅力はきちんと息づいていたと感じました。

『海街チャチャチャ』と『この恋、通訳できますか?』

アイキャッチ画像:所属事務所fantagio公式サイトより

『スタートアップ』で見せた“支える存在”のイメージは、『海街チャチャチャ』でより分かりやすい形になります。

困っている人がいれば自然と手を差し伸べる、街の何でも屋のような存在。

都会から来た医師の心を少しずつほどいていく過程も含めて、彼の柔らかい印象が最大限に生かされた作品でした。

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その延長線上にあるように感じたのが、『この恋、通訳できますか?』です。

キム・ソンホが演じた通訳士のチュ・ホジン役は静かで、前に出すぎることはないけれど、誰かが本当に必要とする瞬間には、そっと背中を支えてくれる。

そんな人物像が、彼自身の佇まいと重なって見えました。

一方で、バラエティやインタビューで見せる姿は意外と飾らず、少し緊張しながらも自分を隠さない。

軽い冗談も交えながら、自然体でいる様子が、そのまま役柄にも滲んでいるように感じます。

だからこそ、キム・ソンホは自分自身の性質や演技の幅をよく理解し、それに合った役を選んできた俳優なのだと思います。

今、キム・ソンホを見るということ

結局のところ、私が感じるキム・ソンホの魅力は、外見ももちろんそうですが、それ以上に積み重ねてきた時間そのものにあるのではないでしょうか。

長く演劇を続け、ようやく名前が広く知られ始めた時期に、一度足を止めることになった時間も含めてです。

プライベートな出来事が過度に注目を集め、説明を求められる立場になった時期もありました。

時間が経ち、事実関係が整理された後も、失われた時間や機会が戻るわけではありません。

その間に逃していたかもしれない作品や選択肢を思うと、やはり心に引っかかるものがあります。

それでも彼は、比較的淡々と、また自分の場所に戻ってきたように見えます。

必要以上に語らず、前に進む姿勢を保ったまま。

だからこそ、2026年が特別に感じられる

ドラマでは3年ほどのブランクを持ったキム・ソンホ。

2024年に『暴君』で静かに動き出し、2025年に『おつかれさま』で確かな存在感を残したとすれば、2026年はその流れが一気に広がる一年になりそうです。

すでに公開された『この恋、通訳できますか?』を含め、年内に四作品が控えているという事実は、単なる“活動再開”以上の意味を持っているように感じます。

ただ数をこなす一年というより、これまで積み重ねてきたものを、ようやく自然な形で見せられるタイミングが来た。そんな印象のほうが近いかもしれません。

作品の評価がどうなるかは、もちろん分かりません。

けれど今は、「再スタート」という言葉よりも、「ようやく自分のペースで語れるようになった」という表現のほうがしっくりきます。

演技力もフィルモグラフィーも申し分ないパク・ギュヨンさんと共演する 『アンフレンド』 は全6話構成での公開が予定されています(また絵を描く役割なんですね、個人的に好みです、笑)。

画像出典:disney +(作品レビュー目的での引用)

撮影が終盤に差しかかっている『眩惑(ヒョノク)』 は、スタートアップ:夢の扉で共演したスジさんと再びタッグを組み、12話構成で下半期の公開が予定されています。

さらに、人気コミックを原作とした 『議員さまのご加護』 は、12月5日から放送開始予定だと伝えられています。

ジャンルに関わらず、また助演であっても主演であっても、これまで胸の内に留めてきた演技への想いが、少しずつ形を持って表に現れていく。

そんな過程を見ているようで、個人的にはますます期待が膨らみます。

この記事は、キム・ソンホという俳優を評価したり、擁護したりするためのものではありません。

ただ、一人の俳優が歩いてきた時間と、その時間が演技にどう滲んでいるのかを、静かに振り返ってみました。

早く過ぎていく時期もあれば、理由もなく長く留まる時間もある。

キム・ソンホにも、そんな時間が確かにあって、今はその先でまた演技を続けている。

だからこそ、これからも自然と目で追ってしまう俳優なのだと思います。

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プロフィール
たまねぎ
たまねぎ
長年韓国を離れて暮らしているため、韓国エンタメには興味ゼロだった韓国人。日本人の友達に勧められみた「愛の不時着」からその魅力に気付き、偶然見つけた「ウ・ヨンウ」と「Run On」で本格的に韓ドラにハマってしまった韓ドラひよこ組。

情報源は韓国メディアと芸能界に詳しい従姉妹。気になる俳優がいるとその人の作品をマラソンするのが得意。素敵な俳優も作品も多過ぎて誰かに紹介したくなってきたので、ブログを始める。

好きな人、作品、音楽を、形に捉われず、韓国で生まれ育ったからこそ読み取れるセリフや文化の裏側を伝え、リアルな感想を紹介して行きたい。

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