サブ男性主人公を応援したくなった – 俳優 キム・ムジュン
ドラマを観ていると、たまにそんな瞬間があります。
主人公ははっきり存在しているのに、なぜか気持ちが別の人物に向いてしまう瞬間です。
『キスは無駄にして』を観ていて、私はまさにその状態になりました。
最初から意識していたわけではなく、気づけば自然とサブ男性主人公を応援している自分がいた、という感覚に近いです。
誰かを選ぼうと思ったわけでもなく、物語を追っていくうちに、気持ちが静かにそちらへ流れていった、そんな感じでした。
観ているうちに、気持ちの向かう先が変わっていました。

『キスは無駄にして』を観て、キム・ムジュンという俳優が心に残る
チャン・ギヨンさんは、演技力や存在感について改めて説明する必要のない俳優だと思っています。
俳優として活動して10年以上が経ち、本当に多くの作品に出演してきましたし、演技の安定感もあります。
187cmの長身でモデル出身という点や、ナム・ジュヒョクさん、ビョン・ウソクさんと並んで自然と思い浮かぶ顔であることもよく知られています。
最近ではチョン・ウヒさんと共演した復帰作も、視聴率面では良い評価を得ていたと記憶しています。
私自身が最後までしっかり観た作品としては『九尾の狐とキケンな同居』がありますが、その時の彼はとても魅力的でした。
ただ、今回のドラマでは、これまで見てきたチャン・ギヨンのイメージとは少し違う印象を受けました。
少し痩せたように見え、スタイリングも以前より力を抜いた雰囲気で、最初はやや戸惑いがあったのも事実です。
外見についていろいろな声が出ていたのも理解できますが、観続けているうちに「これはキャラクターのためなのかもしれない」と思うようになりました。
愛を簡単に信じられず、感情的にまだ準備ができていない人物であれば、少し鋭く、どこか空白を感じさせる印象のほうが合っているのかもしれません。
完璧な男性主人公というより、恋の前で揺れ続ける人。
今回は、そんなチャン・ギヨンを描こうとしている作品なのだと感じました。
自然と視線が向かう先にいた俳優、キム・ムジュン
そんな主人公を追いながら観ているうちに、自然と視線が別の人物へ向かっていました。
若くして父親になった写真家の友人役です。
仕事もきちんとこなし、良い父親で、料理もできて、何よりヒロインを静かに、長い時間をかけて大切にしている人。
大きな感情をぶつけるのではなく、時間を積み重ねて築いてきた関係だからこそ、より安定して見えました。
ドラマを観ていると、「自分だったら、こっちの人を信じるかもしれない」と思う瞬間がありますが、今回はその気持ちがかなりはっきりしていました。
また今回のドラマでのスタイリングが彼にとても似合っていて、彼の魅力を引き立ててくれていると思います。
以前も話していますが、彼が出るシーンの多くは緑の多いとても清涼な感じか、暖かく柔らかい照明で彼のかの少し影ができて柔らかい線を強調してくれています。
とにかく優しくて柔らかい感じの本人の魅力を存分に出してくれている設定です。
ドラマの中だとヒロインがすでにチャン・ギヨンさん役に心を奪われているので、勝ち目がなさそうですが、個人的にはこんなとんでもないあらすじのドラマの中で一番現実的に良さそうなのが彼が演じるソンウなんです。
だから、自然と「この俳優さんは誰だろう」と調べるようになり、キム・ムジュンさんの名前を知りました。
どこかで見たことがあるような顔だと感じたのも印象的でした。
現在放送中の『憎らしい恋』でイム・ヒョンジュンの弟役を演じていたキム・ヒョンジンさんととてもよく似ていて、しばらく同一人物だと思っていたほどです。
最近ではBTSのジンに似ているという声もあり、誰か一人にそっくりというより、いくつかの顔が重なって見えるタイプだからこそ印象に残りやすいのかもしれません。
フィルモグラフィーを見てみると、以前楽しく観ていた『わかっていても、』にも出演していました。
眼鏡をかけ、美術専攻という設定で作業服を着て登場していた姿は、今回のドラマとは雰囲気がまったく違い、同じ俳優だとは気づきませんでした。
その後も『恋人』や『すべてが叶うだろう』でアン・ウンジンさんと再び共演し、主演でも助演でも、地道に作品を重ねてきたことが自然と伝わってきます(どちらもちゃんと見ていない)。
まだ作品数が非常に多い俳優ではないからこそ、これからもっと良い台本に出会ってほしい、そんな気持ちが強くなりました。
ただただ次が気になる俳優
少し意外だったのは、キム・ムジュンさんが日本のドラマにも出演し、日本ではすでにある程度知られていたという点です。
最近、望ましくない話題に巻き込まれたことも知りましたが、相手が日本で非常に有名な俳優だっただけに、ドラマを降板することになったのは残念に感じました。
この作品はすでに撮影が進んでいた、あるいは終わっていた時期だったと思うので、本人も相当な不安を抱えていたのではないかと想像してしまいます。
事実無根であることが確認され、『キスは無駄にして』では思いやりがあって優しい人物として描かれているのを見て、本当にほっとしました。
27歳で父親役を演じるのは決して簡単ではなかったと思いますが、結果的にはとてもよく合っていたと思います。
すでに兵役を終えているという点も、これから応援する側としては少し安心できる要素でした。
『キスは無駄にして』を観ていなければ、わざわざ調べることはなかったかもしれません。
でも今は、次の作品が自然と気になる俳優になりました。
今このタイミングで、名前を覚えておきたい俳優。それがキム・ムジュンです。
実は彼、Xのアカウントも持っていて日本のファンとも積極的にコミュニケーションをとっているので、気になる方は彼(@junmu_0524)をフォローすることも忘れずに。

